第61回入学式「校長式辞」にて
令和6年4月1日
福岡県立城南高等学校
第28代校長 井上英一郎
「 -我が国のPIONEERたる人物とならん- 」
福岡県立城南高等学校のホームページにアクセスしていただき、ありがとうございます。
また、平素より本校の教育活動に御理解・御協力を賜り誠にありがとうございます。
本校は、昭和39年4月に第1期生が入学して以来、「進取 明朗 端正」の校訓の下、広く社会への貢献を志す有為な人材の育成に努め、卒業生も2万4千名を超え、昨年創立60周年を迎えました。
平成7年度に「ドリカムプラン」をスタートさせ、我が国のキャリア教育のパイオニアとしてさまざまな取組に着手してきました。「ドリカムプラン」は、授業はもちろん、総合的な探究の時間、校内外での講演会、生徒自身の自主活動等、本校での生活全般であり、生徒が今後の人生を考える活動そのものであります。生徒が「自分の人生を何に使うのか」「自分はどう生きるか」を見つける、という本校の教育の根幹です。
また、平成22年度からは、文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、将来国際的に活躍しうる科学技術系人材の育成を図るため、先進的な理数系教育を行っています。
平成26年度までの第1期5年間は、環境やエネルギーなどを中心とした持続可能な社会の実現に向けた取組についての研究を行い、平成27年度から令和元年度までの第2期5年間では、高度な課題解決能力と課題解決に向けた実践力を身につけた人材の育成を目指した取組を行いました。令和2年度から令和6年度までの第3期5年間の指定を受け、データ駆動型社会を支える科学技術系人材の育成を目指した取組を行っています。
その中の一つである「探究活動」は、急速に変容する社会で予測困難な未来に必要とされる力の育成を目指しています。それは、理数コースの「理数ゼミ」や理数コース以外の全クラスで実施する「ESD探究」など、スーパーサイエンスハイスクールの指定を受け推進してきた先進的なカリキュラムであり、本校の教育活動の大きな特色の一つです。他にも、「即興型英語ディベート」の導入など、生徒が主体となった様々な活動を学校全体で行っています。
以上、生徒が学校行事、生徒会活動、部活動を主体的に行うことはもとより、校外の様々な催事へも参加できるよう、本校は、生徒の活躍の場を可能な限り用意し、失敗を恐れず積極的にチャレンジする気概を持った生徒に育つよう、学校をあげて取り組んでいます。
昨年度、本校は60周年を迎えました。人間で言えば還暦を迎えた歳になります。還暦とは「元の暦に還ること」と言う意味ですが、暦は、時刻や方角を表す「十二支」と十をひとくくりにする数詞である「十干」の組み合わせを干支とし「干支(十干十二支)が一巡し誕生年の干支に還ること」で還暦となります。本校は、「ドリカムプラン」をスタートさせてからの30年間、我が国の教育課程を先取りした教育を行ってまいりました。そして今年、元の年に還り、また新たなスタートを切ります。
これからも地域の皆様の信頼と期待に応え、生徒とその保護者や同窓生の皆様が誇れる学校づくりを目指し、生徒・教職員が一丸となって、我が国の教育のパイオニアとして、新たな城南高校を創造してまいります。
これからも、温かい御意見を賜れば幸いに存じます。
今後ともよろしくお願いいたします。